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19.10.15

ユベラNカプセル100mg 【成分名:トコフェロールニコチン酸エステル】

(おくすり110番:薬事典版) トコフェロールニコチン酸:ユベラN

ニコチン酸とビタミンEがくっついた薬です。

トコフェロール(tocopherol): ビタミンE(vitamin E)脂溶性ビタミンの一種。

メチル基の位置によって8つの異なる型があり、それぞれの生物学的機能をもつ。ヒトではD-α-トコフェロールがもっとも強い活性をもち、主に抗酸化物質として働くと考えられている。抗酸化物質としての役割は、代謝によって生じるフリーラジカルから細胞を守ることである。フリーラジカルはDNAやタンパク質を攻撃することでガンの原因ともなりうるし、また、脂質過酸化反応により脂質を連鎖的に酸化させる[1][要高次出典]。

ビタミンEは、フリーラジカルを消失させることにより自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止する。発生したビタミンEラジカルは、ビタミンCなどの抗酸化物質によりビタミンEに再生される[2]。

放射線の照射により赤血球の溶血反応が発生するが、これは放射線による活性酸素の生成により脂質過酸化反応による膜の破壊によるものである。ビタミンEの投与により、放射線による赤血球の溶血や細胞小器官であるミトコンドリア、ミクロゾーム、リボゾームの脂質過酸化反応が顕著に抑制された。SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)も同様の効果を示した[3]。

ビタミンE - Wikipedia

ニコチン酸(ニコチンさん、英: nicotinic acid)

3つの異性体が存在するピリジンカルボン酸に属する有機化合物である。ニコチン酸アミドとともにナイアシンとも呼ばれ、ビタミンB3でもある。(ニコチン酸の生理活性は記事 ナイアシンに詳しい。)

ニコチン酸 - Wikipedia

ナイアシン (Niacin) : ビタミンB3

ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB3 ともいう。水溶性ビタミンのビタミンB複合体の一つで熱に強く、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがある。欠乏すると皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じる。エネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素として重要である。
化学的物性はニコチン酸に詳しい。

ナイアシン - Wikipedia


販売名:ユベラNカプセル100mg 

一般的名称:トコフェロールニコチン酸エステル製剤

















販売開始年月:1967年1月

薬効分類名:微小循環系賦活剤


組成

1カプセル中にトコフェロールニコチン酸エステル100mgを含有する不透明な紅色と白色の硬カプセル剤である。
添加物として黄色5号、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、青色1号、赤色3号、ゼラチン、タルク、マクロゴール6000、メチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウムを含有する。

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

下記に伴う随伴症状 
  • 高血圧症
  • 高脂質血症
下記に伴う末梢循環障害 
  • 閉塞性動脈硬化症
用法及び用量

カプセル100mg
  • 通常、成人にはトコフェロールニコチン酸エステルとして1日300~600mg (1日3~6カプセル)を3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例5,621例中、105例 (1.87%) の副作用が報告されている。(臨床試験成績集計)

消化器
0.1~5%未満 
食欲不振、胃部不快感、胃痛、悪心、下痢、便秘

過敏症注)
0.1%未満 
発疹

肝臓

0.1%未満 
肝機能障害 (AST (GOT)、ALT (GPT) の上昇等)

その他
0.1%未満 
温感、潮紅

その他
頻度不明 
顔面浮腫、浮腫

(注) このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時 (カプセル・ソフトカプセル)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)


薬物動態

1.血中濃度

健康成人男子12名にトコフェロールニコチン酸エステルとして600(注)mgを食後単回経口投与後、未変化体及びトコフェロール濃度を測定した。
未変化体は投与後6時間で最高血漿中濃度 (Cmax=0.615μg/mL) を示し、以後、消失半減期4.3時間で速やかに減少した。また、トコフェロール濃度 (内因性トコフェロール濃度を除したもの) は投与後10時間で最高血漿中濃度 (Cmax=1.62μg/mL) を示し、以後、消失半減期38.5時間で緩徐に減少した。1) 

トコフェロールニコチン酸エステル単回経口投与時の血漿中未変化体及びα-トコフェロール濃度 (Mean±S.E., n=12)

2.食事効果
健康成人男子4名にトコフェロールニコチン酸エステルとして600注)mgを経口投与した結果、食後服用は空腹時服用に比べ、最高血漿中濃度は32倍、AUCは29倍高い値を示した。本剤の吸収には食事が強く影響する。2)

(注) 600mg単回投与は承認外用量である。


【臨床成績】

臨床効果

1.高血圧症
二重盲検試験及び一般臨床試験において高血圧症の随伴症状の改善が認められた。特に手足のしびれ感、めまい感、首すじや肩のこり、頭痛、不眠、耳鳴、息切れ、抑うつ、四肢冷感などの随伴症状を改善した。 (③④)
高血圧症等を基礎疾患とした四肢末端の冷感、しびれ感を訴える高齢者40例を対象とした比較試験において、サーモグラフ写真・サーモグラフ温度分布ヒストグラムでは、60%(12/20)に中等度以上の改善が認められ、全例に軽度以上の改善が認められた。 (⑤)

2.高脂質血症
高脂質血症を対象とした一般臨床試験において、本剤投与 2 カ月後の臨床成績は、投与前の各検査値に比し、総コレステロール高値例では有意な減少が、HDL-コレステ
ロール低値例では有意な上昇が認められ、過酸化脂質は有意な減少が認められた。 (⑥)

3.末梢循環障害
閉塞性動脈硬化症等の末梢循環障害に対して二重盲検試験及び一般臨床試験において有用性が認められている。


【薬効薬理】

1.脂質代謝改善作用
⑴ 加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄
を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる。 (⑦⑧)

⑵ ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL-コレステロールを上昇させる。 (⑥)

2.微小循環系賦活作用
⑴ 本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている。 (⑨)

⑵ ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている。 (⑩)

3.血管強化作用
ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させるこ
とが認められている。 (⑪)

4.血小板凝集抑制作用
⑴ ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている。 (⑫)

⑵ ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した。 (⑬)

5.血中酸素分圧上昇作用
ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている。 (⑭)


【有効成分に関する理化学的知見】

一般名:トコフェロールニコチン酸エステル
(Tocopherol Nicotinate)

別名:ニコチン酸 dl -α-トコフェロール
(dl -α-Tocopheryl Nicotinate)

化学名: 2, 5, 7, 8-Tetramethyl-2-(4, 8, 12-trimethyltridecyl)chroman-6-yl nicotinate

分子式:C35H53NO3

分子量:535.80

物理化学的性状
トコフェロールニコチン酸エステルは黄色~だいだい黄色の液体又は固体である。
本品はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
本品のエタノール(99.5)溶液( 1 →10)は旋光性を示さない。
本品は光によって変化する。

【主要文献】
  1. 朝野芳郎ら:基礎と臨床, 16, 5714(1982) EN-0346
  2. 藤田 孟ら:薬理と治療, 8, 410(1980) EN-0236
  3. 阿部 健ら:臨牀と研究, 51, 3221(1974) EN-0063
  4. 稲垣義明ら:診断と治療, 65, 929(1977) EN-0062
  5. 田中正信ら:Proc. of Kawashima Conf. on Vitamin E, 407(1985) EN-0359
  6. 川本敏雄ら:臨牀と研究, 58, 551(1981) EN-0319
  7. Takeuchi, N. et al.:Tocopherol, Oxygen and Biomembranes, 257(1978) EN-0214
  8. 瀬山義幸ら:動脈硬化, 12, 1457(1985) EN-0331
  9. Asano, M. et al.:Biochem. Exp. Biol., 16, 341(1980) EN-0343
  10. Kamimura, M.:Am. J. Clin. Nutr., 27, 1110(1974) EN-0158
  11. Hirata, Y.:Int. Symp. Vitamin E, 265(1970) EN-0037
  12. 室井秀一ら:血液と脈管, 11, 629(1980) EN-0261
  13. Svensson, J. et al.:Int. J. Vitam. Nutr. Res., 48, 250(1978) EN-0213
  14. von Bohlau, V. et al.:Arzneimittelforshung, 21, 674(1971) EN-0089
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